FOLKLORE JAM(HERMIT)

んで、三連休なので何か一本積みゲでも越すか、ということで、『FOLKLORE JAM』(HERMIT)をやってみました。密かに丸戸ゲーだったりするのですね。
私、丸戸ゲーは『世界でいちばんNGな恋』(HERMIT)しかやっていないのですが、キャラの掛け合いがとても楽しく、しかも主人公が所謂「やるときゃやる」系の人(大好物)、オマケにメインヒロインがロリ(ちうがくせい)ということで、「ば、ばか! 三拍子揃えちゃって!」とか思っていそいそと新品でやったわけですね。面白かったです。軽いノリでやるにはぴったりでした。
で、『FOLKLORE JAM』の方はと言うと、元々はこれの主題歌『チェリーレッドのピストル』(佐藤ひろ美)が大好きでして、曲から入ったと言っても過言ではありません。絵はどちらかと言うと苦手……だったんですが、いざやってみるとそこまで気にならなかったかな。寧ろ可愛いと思えるようになりました。全体として、キャラの掛け合いの面白さは健在、主人公はやっぱり「やるときゃやる」系のお人で、プラスしてオカルト・謎解きがエッセンスになっており、なかなか読ませるシナリオでした。




以下ネタバレにつき反転

謎は3人のヒロインのルートをクリアしただけでは全ては分からないようになっており、その後の隠し(というほど隠れてないか)ヒロインを越して、最後のTRUEルートまで行かないと全貌が分からない仕様になっています。オカルト、というかSFも入っていて、主人公が時空を超えて色々やったりとかするので、謎解きとかにそういうのが絡むのがダメな人にはダメかもしれません。色々ピンチになる割に、最後の大ボス(&組んでいた某ヒロイン)に特にやり返したりしなくて終わるので、ちょっとそこは爽快感が少ないかなぁ……何と言うか危機を回避して事件を解決せず、みたいな感じがします。二、三読んでて分からないままの謎(読み流してしまったのかな)もあったのも、もやもやしてる原因かも。ま、でもこれぐらいのノリがちょうど良いかもしれません。
全体としては良くまとまってて良い話だったと思います。最後までオカルト同好会の活躍を見てたい、と思わせてくれる、そういう心地よさが丸戸シナリオの魅力なんでしょうね。クリア順は維月→古都→ひなた→碧衣→TRUEでした。


*維月ルート★★★★☆(維月:★★★☆☆)
取り合えずエッチシーンに入る前のやり取りが尋常じゃなく頬ニヤリング。全く、何だこの幼馴染は。けしからん!
維月は主人公に対しては結構きつく当たっているけど、これは信頼の裏返し、というところもあり、そういうのを全て分かって、時に情けなく、時に頼りがいのある感じで接している主人公を見ると、「やっぱ正ヒロインは維月だな」と思います。維月は過去の出来事から主人公に対する入れ込みようは半端ではなく、それがまた時々(具体的には主人公が死に掛けたりとか、予想外の出来事が起こる)しか出てこないのが全く持って素晴らしい破壊力をもたらしてくれるわけです。ルート自体も、数え歌の謎と絡めた王道の話になっており、シナリオが進むにつれて維月の行動がどんどん疑わしくなって行く辺り、半ば予想がつきつつもぐいぐいと読まされてしまいました。
*古都ルート★★★☆☆(古都:★★☆☆☆)
古都自身については特に何とも思わなかったのですが、古都の嬉しかったこと、の話は結構ほろりと来るところがありました。「言った側と受け取った側でこんなにも重みが違った」というくだりは、確かにそうなんだけれども、その重みを感じられない主人公だからこそ、古都は主人公を好きになったんだろう、というその矛盾が何とも言えず良い感じ。あ、あとメイド隊&執事がすごく良い味出してました。
*ひなたルート★★★☆☆(ひなた:★★★★☆)
ひなた可愛いよひなた。孤高の猫がふと気を許して甘えてくれる、という感じの可愛さです。最初は主人公を情けない奴、と判断してアウトオブ眼中だったひなたが、色んな事件を通して徐々に歩み寄り、ふてくされたり嫉妬心を見せたり、全く王道でけしからなさ過ぎる! もっとやれ! ルート自体は事件が謎解きに食われている感もあり、あまり出来が良いとは言えませんが、ひなたの可愛さで全て吹き飛ぶ。
*碧衣ルート★★★☆☆(碧衣★★☆☆☆)
碧衣の声がいかにも青山ゆかりなんですが、個人的にハマリ過ぎてて逆に嫌というか……うーん。碧衣自身が少し子供っぽい(と私には見えた)ところがあり、真面目というよりは頑なに見えてしまったのもあって、あまり良い印象にはならなかったなぁ……特にラストの辺りとか。引っ越すのはまぁ良いとして、別に主人公にこれからも会ってあげても良いじゃん。何がいけないのか……それってケジメのつけ方違うくない?みたいな。あぁ、でもお堅い委員長が実はエロいという設定はツボです。
*TRUEルート★★★☆☆
全ての謎が解かれて大団円……なんですが、えぇと、個人的にはサヤ&マヤとの3Pは要らなかったんじゃないかなぁ、と。いや、黄泉の世界に行った辺りで「おぉぉお、これから更に一悶着ありそうだな! で、他の面子はどこだ?」とわくわくしてたら、サヤ&マヤがやってきて3Pで気がついたらエンディングだったんで……えー……。いや、確かに謎はもうあの時点で解けてましたよ? 遥香先生が敵だった、っていうのも「ありそうだな」とか思いつつも、実際そうなると「うぎぇー」となって自分内では盛り上がりましたよ? だからそれだけに……もうちょっと丁寧に終わってほしかったなぁ。


エロゲ慣れしてしまってるので、文句の多い感想になりましたが、普通に良もらえるくらいのゲームだとは思います。でも個人的には丸戸ゲーはやっぱり普通のラブコメが良いかなぁ、と思った次第です。