『Dies irae Also sprach Zarathustra -die Wiederkunft-』(light)が出るらしい

ディエスなんとかとかいうゲームと言うとアレです、超延びた挙句に私を失意のどん底まで落としてくれたゲームなわけですが(まぁ……すいません、情報を受けて全力で封印したので実質やってないです)、ついに追加パッチが出るらしいです……一部のルートのみ。どうしよう、ここでやってしまった方が良いのか、完全版を待つべきなのか。個人的には同様の状態に陥ってしまっている『暁の護衛』(しゃんぐりら)が意外と待てないというかそういう状態なので(うずうず)、完全版を待つつもりなのですが。ところでこの追加パッチ、追加パッチを当てた状態でのゲームもどうやら発売する予定みたいですが……初回特典のヴィジュアルファンブックはちゃんとデータで貰えるんでしょうか。貰えないんだったらそれの為に金を出さねばならないんですが……(信者乙)。

烙印の紋章〈3〉竜の翼に天は翳ろう (電撃文庫)

烙印の紋章〈3〉竜の翼に天は翳ろう (電撃文庫)

正直に言うが、こいつはオススメです。戦記モノが好きな方には特に。
今回のオルバの使命は、辺境の土地・アプターを守ること。与えられた軍勢は僅か、しかもそのうちの一部は前の巻で反乱を起こして鎮圧されたばかりの奴隷達。敵である西方の勢力の情報は少なく、オルバが成り代わっている皇子・ギルの評判は前巻までの活躍にもかかわらず未だ「まぐれだろう」が大半。更に、連れてきている婚約者・ビリーナの祖国とは同盟を結んでいるにも関わらず、相変わらず休戦する前のぎくしゃくした状態を引きずっており、その関係から救援は望めない。こういう状態で、どのように敵を攻略するのかが戦記モノとしての見所です。
でもこの作品の見所って他にもあって、オルバとビリーナの進展具合であったりとか(成り代わっている皇子・ギルとビリーナの距離、剣闘士・オルバとビリーナの距離、というのがそれぞれに全く別の方向から進んでいくのが面白いです)、王家内・国内の政治的謀略であったりとかするのですが、個人的には、一番はキャラクターの葛藤だと思っています。特に主人公・オルバはその昔故郷を見捨てられ、しかも自分の国の軍人・貴族に家族を踏みにじられた子供の頃の自分と、その後成長して剣闘士としてやってきた時の奴隷としての自分と、今現在成り代わっている皇子(の代役)としての自分、の3つを持っているわけですが、段々その3つの自分(作中では『仮面』という言及のされ方になっていますが)のどれが本当の自分なのか分からなくなってしまう(まぁ言ってしまえばどれも本当の自分になってしまう)辺りの描写が書かない部分・書く部分のタイミングもひっくるめてとても良い感じです。最初の巻で持っていた「家族を踏みにじった貴族に復讐する」という単純な黒い欲望が霞みがちになっており、3つの自分のどれもを理解しているだけに苦悩する、というのは王道でありながらどうオチをつけるのか(あるいはどれだけ丁寧にオチを書けるのか)というのが今から気になるところです。