調子良いとか言い出したらすぐこれなんだから!

もう調子良いとか言うもんか! ばか!
人に薦めた関係で『海からくるもの』(rouge)をやり直してたんですが……こいつは考えさせられる大人のSFって感じがします。クリアした当時も結構放心した気がするんですけど。
ということで、心当たりのある貴方は是非やってください>私信

Under the Rose 6―春の賛歌 (バーズコミックスデラックス)

Under the Rose 6―春の賛歌 (バーズコミックスデラックス)

このシリーズは本当に静かに静かに平穏の裏の崩壊を描いていて、薄暗い感情の表現が本当に上手いと思う。冬の物語の時に、その終わり方(特に「牧師になりたい」と言ったライナスの表情)に冗談じゃなく「すげぇ」と思ったんですが、今回も小石を水面に落とすような波紋の広げ方と、それに続くハッとさせるような展開の畳み掛けは健在です。ラストの伯爵が自分の感情をあらわにするところは、間に挟まるウィリアムの描写と相まって、『壊れてしまった』『後戻りできない』というのを感じさせるのに十分でした。あと(こういう言い方をするとアレですが)、ウィリアムとレイチェルの体でしか正直になれない関係もストーリーのアクセント(もしくはこれから肝になっていくであろう部分)になっていて大変よろしい。次も楽しみです。