ま、戯言だけど

エロゲに限らずなんですけど、私は作品について客観的に語りたくない傾向があるんだなぁと思います。何となく分析したくないんです。
感情的に読むのが好きだ、というのがまずあります。私は作品を感情移入して楽しむのが好きでして、大どんでん返しがある(プロット?がしっかりしている)ものよりも、感情移入できるものを評価する傾向にあります。作品を分析してしまうと大部分が手法に還元されてしまうので、その作品に対する何かが冷めてしまうんですよね。ということで、私はあまりストーリー的なところに注目して読まないので、話の筋をあまり覚えていないことが多いです。代わりに、心に灼きついたシーンについては、その時自分がどう思ったかも含めて鮮明に覚えています(ただ覚えている部分がその時どう感じたか、ということになることが多いので、言葉で上手く説明しきれない感じです)。ライトに作品を楽しんでいるのかと言えばそうではなくて、ストーリーの筋を楽しむタイプ、ストーリーから読み取れるメッセージ性を楽しむタイプの人と少々毛色が違った楽しみ方をしているのです。
分析等を行うことで、確かに「このエロゲのここがスバラシイ!!」と分かりやすく論理的に主張することはできますが、感情面を評価している私のような人間としては「ここでこういう場面があって感動するんだよ!」と言われたってウザいだけです。って言うかそこを説明されると先入観が邪魔して味わえるはずの感情が味わえなくなってしまいます。
人様に作品を上手く薦められないのは上記のような原因があるのだと思います。人に作品を薦める際は、感情移入云々(主観)よりも、ちゃんと作品を分析して筋なりメッセージ性なり(客観)を伝えるべきなのでしょうが、何か「それが作品の一番良いところを伝えることにはならないんじゃないかなぁ」と思ってしまう辺り、多分布教者には向いていないです。

あと、私あんまりエロゲが「こうだからスバラシイ」とかって考えないです。(例外はありますが)基本的に娯楽なんだから、別にそんな肩肘張る必要ないかな、と思っています。その作品に触れて感じ取ったものが全てで、それ以上でも以下でもないかなぁ、と。まぁでも分析するのが好きな人もいますので、その場合は分析することまで含めて娯楽なのかもしれないですね。
エロゲ、皆そんな毛嫌いせずにやってみれば良いよ、とは思うけど、それはスバラシイから、って言うよりは、エロゲって別にそんなハードルが高いものじゃないから娯楽の選択肢の一つとして数えても良いんじゃない、ってくらいの意味です。「感動する作品が欲しい」って言うときに、小説とか映画に限らず、エロゲも選択肢に入れても良いんじゃない、って感じです。