面白かった!

烙印の紋章Ⅳ』(杉原智則)読了。面白かった、面白すぎた。最高だった。続刊のためにハガキ出してきます。そんなに売れてる人でもないから高くないと思うので(エウレカのノベライズくらいかなぁ、有名なの)、古本屋ででも見かけたら是非手に取ってほしいです。損はさせません、特に歴史好き&戦記物好きな人!
取り合えずこの記事で四巻単体レビューした後に、別記事でシリーズレビューいたします。読もうと思う人は以下ネタバレ回避推奨。

嗚呼、面白い。面白すぎる。そして切なすぎる。
前巻で兄の死を現実のものとして突きつけられ、悲しみに打ちひしがれることになった主人公・オルバ。オルバが皇太子の身代わりをある意味で楽しんでこられたのは、どこかで兄が生きてるのではないか、と心のどこかで信じていたから。それが否定された時、彼は兄を、そして自分の生まれ育った村を焼き払った自国の将・オーバリーへの復讐を決意する。けれどもそれは、同時に今の皇太子としての自分と、その責任の全てを投げ出すことでもあり……――彼は、復讐と、皇太子としての仮面のどちらを選ぶのか。
まず策謀が見事。三巻では「でもオルバだしなー」とかある程度余裕で見てられたんですが、四巻の頭からの自暴自棄になったオルバにははらはら。特に中盤でオーバリーへの復讐を果たした後とか、ぶっちゃけオルバはもう何もかもどうでも良いんじゃね?とか思ってしまい、すげーページ捲るのに緊張しました。最終的には、逆に復讐を遂げたことで(三国の戦局での策謀よりも寧ろこの復讐の方がえげつなさ過ぎてワロタw 最後のあの情報操作にはちょっと無理があるかなーと思わなくもなかったですが)、憑き物が落ちたように一皮向けたなぁ、という感じです。
後はですね、ビリーナとの別れが眩しくて、けど寂しすぎた。このやり取り感慨深すぎじゃね? 泣けるわけじゃない、胸キュンするわけでもない、ただただアルバムに綴じられたみたいな壊れ物みたいに綺麗な別れです。ある意味ギルの遺言とも取れる言葉に、そんなことを露知らず、ただ信じて言葉を返すビリーナ。その後の彼女の置かれる状況を考えると、オルバさんドS過ぎるだろ……早いとこオルバとしてでもギルとしてでも良いから会いに行ってあげようよ! でもビリーナ何でも顔に出ちゃうから、よっぽど姿を現しても大丈夫にならない限り会いに行かないんだろうなぁ……ヒデェ。
願わくば、彼らの再会が、幸せなものでありますように。ということで5巻はよ来い5巻。