『Steins;Gate』(Nitro+)

意外と日常会話が面白いのにびっくりです。もっとシリアスシリアスしてるのかと思いきや、オカリンの厨二病に始まり、ガチオタのダル、ちゃんねらーのクリスティーナ、天然のまゆしぃとやり取りの楽しさが詰まってます。いや、びっくりだわ。オカリンの地の文も何気に結構面白いし。
しかし話が進めば進むほどオカリンが格好良くなっていくなぁ。。。過酷な運命を一人で背負って痛みを全て受け止め、時に涙し、時に絶望しながらも前に進む青年はそれだけで眩しい。本当に面白かったです。


*鈴羽ルート:★★★★★(鈴羽:★★★★☆)
壮絶だった…キツかった。最初にたどり着いたエンドですが、橋田鈴さんの手紙が壮絶すぎて辛かった。「こんな人生無意味だった」なんて書いてたった一人で死んでいく鈴羽が痛々しすぎた。だからこそ一緒に行こう、っていうあのエンディングが映えると思う。何回も何回も同じ二日を繰り返して狂いそうになるオカリンが辛かったなぁ…。狂ってしまうとしても、それでも2日間のループを止められず、最後には何故ループしてるのかすら分からなくなり。
鈴羽の父親がダルってのは全く気づきませんでした。それっぽいヒントが出てからは「あ、髪の色とか似てるしもしかして…」とか思ったくらい。。。


*フェイリスルート:★★★★☆(フェイリス:★★★★★)
あぁ、フェイリス可愛いよフェイリス…あのベッドのシーン絶対エロシーン入ってしかるべきだったろ…。それはともかく、あのメールの意味きつかった。メールを送った途端に戻ってきた(もちろんフェイリスには最初その意識はなかったんだろうけど)父親に、そして元々の世界線で父親が死んでることを思い出したフェイリスはどれだけきつかったんだろう…。あー、なんというか"もしも"を知ることがどれだけ恐ろしいのか、ってことが話の裏側にひっそりと流れているエンディングでしたね。フェイリスはエンドこそどこか脳天気でありますが、この状況下でオカリンが頑張って生きていくのは実は相当辛いんじゃないかと思います。

*るか子ルート:★★★★★(るか子:★★★★☆)
これまたきつかった…でも絶対入れておかなければいけないエンドだとも思った。すなわち『まゆりを見殺しにする』『まゆりより他の誰かを選ぶ』エンディング。まゆりが死ぬシーンでオカリンが冷静だったのは…否、あれは冷静なんじゃなくて諦めの境地だったんだろうなぁ。いつまでもその時間が来ないことを願いながら、ただ呆然と待っているだけしか出来ない時間。あの時間の中でどれだけオカリンが怯え苦しみ葛藤し絶望したかを考えるとホント胸が痛い。
女の子として残ってしまったるか子の気持ちも辛い…二人で共犯者として生きていくエンドを敢えて人一倍繊細で儚いるか子に与えた辺りにスタッフの凶悪さが。まぁそもそも男であるか女であるかっていうのが恐らくオカリンへのるか子の気持ちにも関係してると思うので、それだけで酷い話だと思うんだけれども。

*まゆりルート:★★★★★(まゆり:★★★★☆)
これまで犠牲にした鈴羽、フェイリス、るか子、萌郁、そして助手の上に成り立つまゆりエンドはホント究極の選択でありました…って言うかホント衝撃的だった…最初のあの場面忘れてたもん、すっかりこと。あぁ…ホント。助手は格好良かった。そしてその後押しがあってではあるけど、たった一人のために全てを犠牲にしてそれを背負い込んだオカリンの選択は、許されるものではないのかもしれないけど、ただ幸せになれるように願ってやりたいものでありました。って言うか途中からものっそい萌郁とか助手とか救ってやりたくなったんだけどさ…ホント辛かったんだけどさ。
まゆしぃルートはホントオカリンの敗北と勝利がくっきりとしたルートだったなぁ…。最後のまゆりが青空に手を伸ばすCGとか涙出た…。

*紅莉栖ルート:★★★★★(紅莉栖:★★★★★)
やっべぇえデレた助手の可愛さはんぱねぇええええええええ!!!!! メールを頻繁に送ってくる助手の可愛さが半端ないです、助けてください。なまじまゆしぃルートを先にやってしまっただけに「あぁ、こんなに助手は可愛いのに、待ってる運命はアレかよぐぁあああああ」となってしまった。
まゆりも紅莉栖もどちらも諦めたくないオカリンが逃避し始めた辺りは「あぁ…また鈴羽ルートの二の舞か…オカリン…」と半ば絶望的な気持ちだったのですが、更にその先で絶望した。どうしようもないと気づいたオカリンが二重にかけていた見てみぬ振りに強引に踏み入ったのが他の誰でもなく紅利栖だったのが悲しかった。紅莉栖がオカリンを好きだと言わなかったことも、悲しかった。そして二人がもうお互い逢えないことを知りながらも別れ、紅莉栖が想いを告げに戻ってきて……その全ての流れが悲しかった。これ紅莉栖エンドっつーか究極のバッドエンドじゃないのか…オカリンの気持ちが紅莉栖に向いてるだけに辛いことこの上ないぞ。

*TRUEルート:★★★★★(紅莉栖:★★★★★)
エンドロール迎えた時ホントどうしようかと思った…紅莉栖を救えない的な意味合いで。いやもうホント電話の呼び出し音がした瞬間マウス超右に寄せたね! 「え、ちょ、電話! 電話取らせてッ!」みたいな…。
最初紅莉栖が「最初に会った時に心配そうな顔で〜」って言ってたので予想してたんですが、それが最初の日に繋がるわけなんですね…あぁホント上手く出来た話だ。その後の展開もさ、ホント…紅莉栖を殺したのがオカリンだったとかさ…まぁうん、半ば予想はしてたさ。けどあんまりじゃないですかこれ。
でもその後の展開が熱すぎて…もう。最後の中鉢との対決のところとかホントオカリン格好良すぎる。今までの全てが無駄でなかったこと。そして、やり直しのきくタイムリープでなく、たった一度だけのタイムマシンに全てを賭けること。確定していないシュタインズ・ゲートに行くこと。たとえ――そこで、牧瀬紅莉栖と岡部倫太郎はもう会えないかもしれないとしても、それを選ぶオカリンが格好良すぎた。この人ホントにストイックで、自己犠牲的で、強いけど……それでも普通の人なんだよなぁ。
だからこそ、オカリンが『シュタインズゲート』で再び紅莉栖に逢えて良かった。僅かなりとも紅莉栖があの3週間のことを思い出す、そんな甘いと言われようと、幸せの欠片の残る結末で良かった。――これが『シュタインズゲート』の選択で、良かった。