いたいけな彼女(ZERO)

明日は午前休だぜイィヤッホウ!!!! ということで『いたいけな彼女』(ZERO)プレイ終了。
一風変わった恋愛物です。ヒロイン・ほのかに対して陵辱展開とか色々あるらしいので、実は主人公独占が好きな私はプレイするのに不安があったんですが、下手な純愛ゲーよりも余程純愛な話だったと思います。だってほのかには拓巳しかいないし、拓巳にはほのかしかいない。他の誰とセックスしようと、ほのかが拓巳のものである、という一点に関しては終始ブレなかったのが非常に大きく、投げ出さずにプレイできました。

以下ネタバレ含む。
*陵辱ルート:★★★★☆(ほのか:★★★★★)
ほのか可愛いよほのか…純愛ルートの方を後回しにした方が良いと思ったので先に陵辱ルートやってるわけですが、出てくる立ち絵のある男共がどう考えてもほのかをヤるために出てきてるようにしか見えず何ともしょんぼり。特に体育教師…テメェ。
それはともかくほのかがただのドジ娘かと思いきや結構壮絶な病んでる娘でびっくり。でも絶妙なバランスの性格の娘だなぁと思います。病んではいるけど自分が普通ではないと分かってて、主人公の命令に対してもそれが理不尽なもので嫌がる感情を持っている。でも最終的に流されてしまう。それが彼女の悲壮感に拍車をかけているわけでして。ほのかが口や後ろは許しても前は頑なに守ろうとした、懸命に主人公のものであろうとしたのが健気過ぎてホント……。
主人公は主人公で流石にやり過ぎたかなぁと思ったりほのかのことを気にかけてみたり……やってることは最低以外の何物でもないんですが、どうしても憎みきれない弱さがあります。
どうしようもなく歪んだ二人ですが、だからって言って二人が不幸せかと言ったらそんなこともなく。寧ろ完全無欠の幸福カップルだなぁと思ったりするわけです。


*純愛ルート:★★★★★(ほのか:★★★★★)
あぁ、ようやくほのかの弁当を食べたりほのかが苛められてるのを助けたり出来ます……陵辱ルートはことごとくガン無視だったからな。陵辱ルートで後の方に出てきた主人公のツンデレ振りが、純愛ルートだと遺憾なく発揮されてるので2828度が最初からクライマックスだぜ! いやぁホント主人公ツンツン無愛想な振りしてる癖に何気に正義漢でお人好し。無愛想ツンデレが犬系一途娘に徐々に絆されていく姿がこれでもかという勢いで描かれていて、もうホントこういうの大好物ですッ! ゴチソウサマでしたッ!
まぁ陵辱ルートで出てきた『あなたの命令だけで生きていきたい』は健在だったわけですが、純愛ルートでは流石のお人好しツンデレ。鬼畜になりきらなくて良かった。いつもみたいにクールになり切れない秋吉ちゃんが微笑ましい。陵辱ルートやった後だといっそ嘘臭いくらいに駄々甘空間です。こりゃ確かに純愛→陵辱は止めた方が良いわ。。。ショックでかすぎるわ。
後半の方から見られるほのかの嬉しそうな笑顔がたまらんです。チクショウほのか可愛いよほのか。おどおどしてたほのかがちょっとずつ持ち前の天真爛漫さを見せてくれるのがたまらん。病んでるのに癒し系だなぁ全く。
だがそれだけに最後に挟まってた強姦シーンはきつかった。「私、拓巳くんの…犬だから……!」というほのかが恋心を叫ぶシーンは思わず涙腺にきてしまった(台詞だけ見たら酷いのに)。その後の秋吉ちゃんはやりすぎだが正直GJだ。所詮他の輩は小者だったな……あ、えぇと桜木さんは別でしたね、はは。あの4人の納まりは正直イジメがリアル路線だっただけにご都合主義な気がしますが、『いたいけな彼女』が拓巳とほのかの物語である以上、あぁいう形でフェードアウトさせるしかなかったかな、という気もします。
クライマックスがかなりシリアスな恋愛話になっていて、何か一風変わった純愛話だな〜、とか思いつつ楽しんでたんですが、エピローグのお墓のシーンで思いっきり覆されましたね。最初CG出て来たときには罰当たりすぎるだろこのギャグシーン、とか思いましたが……ラストの拓巳の思考が『狂った恋愛の完成形』を示してて身震いした。ヤバイ、ある意味陵辱ルートよりヤバイ。でもこれはこれで拓巳とほのかは幸せなんだろうから良いか、うん……と思わせるところがこの作品の積み上げてきたものの結果なんだろうなぁと思います。
もしかしたら純愛ルートの方がダメ、って人いるかもしれないなぁ。最後の落差を考えると。

陵辱ルートが傷のあるお互いを唯一無二としてそのまま受け入れるルートなら、純愛ルートは傷を舐めあうルート……に見せかけてやっぱりこっちも二人は変わらないまま。どちらのルートも『相手を自分のものにしたい』という拓巳の願いと、『相手のものになりたい』というほのかの願いを否定しなかった、というのが何気に大きいと思います。そういう意味で、陵辱ルートも純愛ルートも両方なくてはならない作品だったのではないでしょうか。