殿堂入りエロゲ

殿堂入りエロゲって言うか、印象が強かったエロゲって感じになりますけど。個人的な選考基準は「やったことを後悔したゲーム」、まぁつまりは記憶をなくしてもう一回やりたい、ってくらい面白かったゲームです。もうこのゲームを初めてやった時の衝撃を得られないのね、みたいな。多分100本以上エロゲをこなしているのですが、殿堂入りはたった6本らしい……思ったより少ないな。
ということで以下のとおり↓





つよきすきゃんでぃそふと)シナリオ:タカヒロ、原画:白猫参謀
蟹は! 俺の! 嫁!
ここまで楽しく日常生活を送らせてくれるエロゲは後にも先にもないかもしれないと思います。蟹とか蟹とか蟹とか。でもそれだけじゃなくて、全キャラ立ち過ぎてて呆れるくらいだった。タカヒロはもしかしたらこれ以上の作品を作れないかもしれないなぁ……(マジ恋を積みつつ)。
特に感動するシーンとかありませんし(あるとしたらよっぴーくらいかな)、たとえしたとしてもそこが肝ではないのがこの作品。エロシーンですら笑えて、でも萌えて、何ともレオと蟹『らしく』ってもう良すぎるのです。


★CARNIVAL(S.M.L)シナリオ:瀬戸口廉也、原画:川原誠
この作品ほどジュブナイルを感じさせる作品ってそうないと思うのです。「もう戻れない」――それをこんなにもはっきりと感じさせてくれるものは。小説版も合わせて一作品で、ゲームが夢だとすると、小説は現実。ゲーム版のラストシーンで学と理紗が見上げた空は現実逃避の希望に満ちていたけれど、それはそれで美しかったけれど、小説版は容赦なく現実をつきつけてくるわけで。あー、全編通すと落ち着くべきところに落ち着いた感じで、きっとこれ以外の終わりはありえないんだろうけど、そんな「少年と少女はどこまでも逃げ延びて、幸せに暮らしましたとさ」なんてありえないと分かっているんだけれど。何をどう間違えてしまったのか。その過程が全て描かれているだけに、何とも切ない。


車輪の国、向日葵の少女あかべぇそふとつぅ)シナリオ:るーすぼーい、原画:有葉
伏線が見事すぎて、もう一度味わいたい作品No.1です。あぁ、アレとかコレとか忘れてもう一回やりたい……!! 何もかもが線で繋がっていく辺りは圧巻でした。
ヒロインの言葉と、それに対するとっつあんの言葉の一つ一つが印象的。白黒がはっきりつかない辺りがとても好きです。エロゲに悪人は数あれど、とっつあんほど見上げた『悪役』は見たことがないよ。本当に格好良いわ。
あ、あと言い忘れないように……モリケンー! 俺だー! 結婚してくれー!!


★スマガ(Nitro+)シナリオ:下倉バイオ、原画:津路参汰
一周目、それに日下部ルートが全て。『エロゲ』ってなんじゃろな、そんなものを真剣にバカに書いてる作品だと思うのです。
一周目は主人公の不屈の魂が実るハッピーエンド。これは長いけれど、やる価値はあると思う。個人的にガーネットがすげーキツくて(攻略する魅力が全く見当たらない的な意味合いで)投げようとしたけど、投げなくて良かった。
画面の中と外で触れ合うことの怖さを書いた日下部ルートはホントにやってくださいの一言しか言えないです。日下部が瓦礫の下敷きになった時に言った言葉が、画面の中から語りかけてくるようで本当にゾッとした。そしてだからこそあのラストシーンは何もかも受け入れた二人として、本当に眩しかった。これまでやったエロゲの中で一番好きなラストシーンを挙げるなら、この日下部ルートのラストを選びます。


Fate/stay nightTYPE MOON)シナリオ:奈須きのこ、原画:武内崇
オーソドックスですが外せません。取り合えず青臭くとも『Unlimited Blade Works』編が大好きな俺。数々の魅力的な、信念を持った、熱いキャラクター達が織り成す魂の叫びは圧倒的の一言。きのこが命を削って書いたんじゃないかと思われる作品です。積み上げて積み上げて積み上げて、崩されて。けれど積み上げたその日々は、そして想いは変わらないと、それは譲らないと叫ぶ士郎に目頭が熱くなった。意地を張る男の子って大好きです。
他のルートも大好きですけどね。セイバールートの何もかも分かって戦友であり恋人であるセイバーと別れる士郎も良いし、桜ルートのこれまでの自分の全てを否定してでも桜を取る士郎も良いし。


narcissu(すてーじ☆なな)シナリオ:片岡とも、原画:MITAONSYA
エロゲじゃないけど気にしないでくれ。
無機質で色褪せていくとある一人の人生を緩やかに追ったストーリーは、じわじわと静かに破滅へ追いやられる感じで怖くなる。何と言うか、ジリ貧を丁寧に見せ付けられる感じで、いつまでも淡路島に着かないように願ってしまった。
映画のような画面の手法や『実験』も含めて完成された作品の一つだと思う。なので、narcissu2以降は個人的には蛇足だと思っていたり。